事件別-覚せい剤等の密輸

弁護士活動の方針

覚せい剤等の密輸我が国における、覚せい剤等の密輸入事件の多くが、運搬役(犯罪組織とは直接関わりのない人で、運搬物の中身を伝えられないまま、運搬を依頼された人)が逮捕される、というものです。以下、基本的にこの事案に沿って弁護士活動の方針について説明します。

方針としては大きく分けて二つあります。①罪を否定し、無罪判決を獲得することを目指す流れ②罪を認めて自白し、執行猶予判決を獲得することを目指す流れです。以下で、この二つの流れについて説明いたします。

まず、二つともに共通して言える弁護士活動の方針について説明します。一般的には、覚せい剤等の所持が発覚すると、鑑定結果次第で、警察官により、逮捕、のちに勾留、起訴(もしくは不起訴)という過程を経ることになります。勾留期間中、原則的にはご家族との面会は許されず、唯一面会が許されるのが弁護士です。ですので、早め早めに弁護士に対し、今後の方針(保釈請求等)、不安な点等をご相談されることをお勧めいたします。

① 罪を否定し、無罪判決を獲得する

多くの場合、「覚せい剤だとは思っていなかった」という主張をすることになると思いますので、輸入したものが覚せい剤だとは認識できなかったことを表す証拠を収集する必要があります。そして最終的に「覚せい剤が運搬物の中に含まれていること知っていたと認めるには合理的な疑いが残る」程度の心証を裁判所に抱かせることができれば、無罪判決を勝ち取ることができます。

なお、「覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物であるとの認識」(これを概括的故意と言います。)があった、との心証が形成されてしまった場合、覚せい剤輸入罪等の故意に欠けるところはない、とされ有罪判決を受けてしまう可能性がありますので注意が必要です。

そのほかに警察が行った覚せい剤の押収手続等に違法性があるとして無罪を主張していく方針も考えられます。

 

② 罪を認めて自白し、執行猶予判決を獲得する

自身が覚せい剤等の薬物を運搬している認識があったと自白した場合には、執行猶予判決を獲得し、実刑を免れる方針をとるのが一般的です。

この際、初犯者であるか再犯者であるかが、大きな分かれ目であると言われています。後者の場合には、執行猶予判決を勝ち取るのが困難であるとされています。しかし、再犯者であったとしても、情状の余地があると裁判所が判断したことで執行猶予判決を勝ち取ることができた例も存在します。

情状の余地ありと判断させる具体的事情として、薬物の運搬を依頼した人間との交流の一切を断ち、今後覚せい剤等の薬物の密輸に関与しない旨を上申書という形で裁判所宛に送る、といったものが挙げられます。

 

関係法令

  • 覚せい剤原料を指定する政令(平成八年政令第二十三号)
  • 覚せい剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)
  • 覚せい剤取締法施行令(昭和四十八年政令第三百三十四号)
  • 覚せい剤取締施行規則(昭和二十六年厚生省令第三十号)
  • 薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(平成二十五年法律第五十号)
  • 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号)
  • 薬物犯罪等に係る没収保全等を請求することができる司法警察官の指定に関する規則(平成四年国家公安委員会規則第一二号)

 

心構え

当事務所は覚せい剤等の密輸入の事案といった刑事事件につきまして、依頼者様の状況に応じた、最良の方針をお示しし、親身になって訴訟活動をお手伝いさせていただきます。まずは、早め早めのご相談をお願いいたします。

 

参考文献

『もう一歩踏み込んだ薬物事件の弁護術(第一版)』(現代人社)小森榮・著

 

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