【コラム】窃盗罪か業務量横領罪か

1、窃盗罪とは?

窃盗罪は刑法235条に規定されており、「他人の財物を窃取すること」を罰するものです。条文には明記されていませんが、不法領得の意思も必要だとされています。法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

 

2、業務上横領罪とは?

 業務上横領罪は刑法253条に規定されており、「業務上自己の占有する他人の物を横領すること」を罰する者です。ここで、占有する、というのは、自分が管理している、というような意味です。また、条文には明記されていませんが、不法領得の意思も必要だとされています。法定刑は10年以下の懲役です。

 

3、窃盗罪と業務上横領罪を比べると?

窃盗罪と業務上横領罪を比べると、法定刑は窃盗の場合は罰金もあるのに対して、業務上横領罪は懲役しかありません。そういう意味では、業務上横領罪の方が重い罪と言えるでしょう。窃盗の場合は、略式起訴で罰金刑ということもありうるのですが、業務上横領罪の場合は、有罪の場合は懲役刑しかありません。ただ、執行猶予の場合もあるので、有罪だと必ず刑務所に行かなくてはならないというわけではありません。

 では、勤務先の企業の物をとってしまった場合、どちらの罪に問われるでしょうか? 勤め先だから自分が管理しているようなものだし業務に関わるので業務上横領罪だと思う方もおられるかもしれません。しかし、実は、行為者の企業内における立場(権限)によって、窃盗の場合もあり、業務上横領の場合もあります。すなわち、業務上横領罪は自己の占有が要件となっているので、占有があったと言えることが必要です。職場の物をとってしまった場合でも、占有する権限がない場合は、他人の占有する財物を窃取したことになり、窃盗罪と評価されることになります。

 「店番のアルバイトが、店長しか鍵を持っておらずアルバイトを含む一般従業員が開けることを禁じられていた金庫を、店長がカギを閉め忘れたまま帰宅したのに乗じて無断で開けて中のお金を持って行ってしまった」場合のように、明らかに占有権限がない場合は業務上横領罪が成立する余地はなく窃盗罪で裁かれることになるのですが、占有権限があるかどうか微妙なケースではいずれの罪が成立するかが争点となることもあります。

4、窃盗や業務上横領を犯してしまった場合は? 

 窃盗にせよ、業務上横領にせよ、財物に対する罪です。この場合、起訴・不起訴の判断や、執行猶予を付けるかどうかが問題となった場合、あるいは懲役刑が選択される場合の刑期の判断においては、被害回復がなされているかどうかは相当に重視されます。それゆえ、窃盗や業務上横領で逮捕された場合には、弁護士を通して示談交渉をして、被害の弁償をすることが重要です。

*前科の有無など、他の事情も影響するので、示談をすれば必ず寛大な処分となるわけではありません。

 また、罪を犯してしまったがまだ発覚していない場合には自首をすることも、有罪判決が下される場合の執行猶予を付けるかどうかの判断や刑期の判断において有利に働きえます。

 いずれにせよ、上記のような罪を犯してしまった場合は、速やかに弁護士にご相談ください。

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